ハッキングサイトに「ベイト&スイッチ」を仕込む手口がゲーム業界で再流行?
ブラックハットSEOの中でも悪質と言われている「ベイト&スイッチ」によるグーグル検索のランキング操作が、ゲーム業界で複数確認されていると報告がありました。
GAME TOP(無料ゲーム配信サイト)のSEOを担当しているJuha Sompinmaeki氏によると、複数のメジャーサイトがハッキングを受け、そのサイト内に「ベイト&スイッチ」が仕込まれていると、ブログ内で明らかにしました。「ベイト&スイッチ」とは、ユーザーの意図しないコンテンツを表示させたり、不誠実なリダイレクトをかけるSEOスパムの一つで、餌(ベイト)に食いついたらスイッチすることから、このような手法を「ベイト&スイッチ」と呼んでいます。
今回確認されている「ベイト&スイッチ」は、ある程度のオーソリティ(評価や信頼性)の高いサイトをハッキングし、そのサイト内部に「ベイト&スイッチ」を仕込んだページを生成し、グーグル検索結果のランキング操作(上位表示)を図り、検索結果ページからユーザーを誘導する仕組みとなっています。この「ベイト&スイッチ」の怖いところは、ウェブマスターが不誠実に生成されたスパムページに気付きにくいことです。なぜならこれまでのサイトとまったく変わらない事と、そのページは本サイトとリンクされていないため、ページ数が多いサイトであれば、その発見がより難しくなるからです。
上の画像から見て分かるように、ビットコイン (Bitcoin)に関してのサイトなのに、競争率の非常に高いキーワードである”download games”にて上位表示されています。”www.bitcoinspot.nl” はバーチャル通貨であるビットコインを扱っているサイトであるにも関わらず、まったく関係のない「ダウンロード ゲーム」のキーワードでヒットしています。そして、300ページを超えるゲームに関するスパムページが設置されているのが、下の画像から確認できます。
スパムページには、グーグルのクローラーである「グーグルボット」を欺く目的で、複数のリンクが貼られていますが、これらは他のゲームサイトからコピペされたリンクになります。
グーグルボットでは、上のようにページのコンテンツが見えていますが、実際にユーザーがクリックすると、JavaScriptを使った不誠実なリダイレクトによって、アフィリエイトや広告が掲載されたページに飛ばされます。その中には、グーグルのアドセンス広告もあったことが確認されています。
なぜ「ベイト&スイッチ」のブラックハットSEOが通用したのか?
「ベイト&スイッチ」は、数年前に通用したブラックハットSEOの一つでしたが、これに対応するためにグーグルは、アルゴリズムをアップデートして対処してきました。しかし、なぜか2ヵ月前くらいから「ベイト&スイッチ」に対してのフィルターが稼働していないのか、少なくともアプリなどのゲーム関連で、穴があることが分かっています。(私の勝手な予想ですが、もしかしたらAMPフレームと何か関係があるのかもしれません。)
この「ベイト&スイッチ」を仕込まれたサイトの多くが、SEOランキングとドメインオーソリティの低下を経験している模様で、中にはインデックスから外されたサイトもあったそうです。もし、あなたのサイトのトラフィックが急に減少した場合は、見覚えのないページやアクセスが無いかサーバー内をチェックするか、グーグル検索エンジンにて「site:yoursite.com (ゲーム、アプリ)」などで探して見るのもいいかもしれません。
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