検索結果100万件を対象に調べた上位表示と相関関係のあるSEO要因
Backlinko.comの創立者であるSEOアナリストの “ブライアン ディーン氏 (Brian Dean)” によって、Google検索結果1ページ目に表示されるWEBページと相関関係のあるSEO要因を調べる為、100万件を対象にその調査が行われました。
今回の「上位ランキングと相関関係があるSEO要因を調べるテスト」では、コンテンツ内容、被リンク、読込みスピードなどの様々なデータ解析を、データ提供会社(SEMRush、Ahrefs、MarketMuse、SimilarWeb)並びにClickStream協力の元、行われました。この中で、いくつか興味深い発見がありましたので報告していきたいと思います。
「上位ランキングと相関関係があるSEO要因」のサマリー
- 「ドメイン単位の被リンク獲得」は、現在でも一番ランキングに作用するSEO要因でした。他のSEO要因よりも、異なるドメインごとからのリンク数が、上位表示と最も相関関係にあることが分かりました。
- 「被リンク元のドメインオーソリティ(Ahrefs計測によるドメイン評価)」は、上位表示と大きな相関関係がありました。
- コンテンツ内容が、「Topically Relevant(局所的で関連性が高い)」とMarketMuseに評価されたページは、そうでないページに比べてランキングに関して優位性が見られました。したがって、1つのトピックにフォーカスしたコンテンツ作りは、より上位のランキング効果を期待できるSEO要因の可能性がある。
- 「テキストのボリューム」があるページは、より上位にランクインされている傾向が見られた。(上位表示されていたページの平均単語数は1,890語)
- 「HTTPS」は、上位表示と適度な具合の相関関係にあると分かりましたが、GoogleはHTTPSサイトがランキング要因の一つであることは既に認めているので、驚く結果ではありませんでした。
- 様々な憶測が飛び交うスキーマですが、「スキーマ マークアップ」の使用による上位ランキング効果は見られませんでした。
- 「短いURL」は、長いURL(6単語以上)よりも優位にランクインする傾向が見られました。
- 「最低1枚の画像付きコンテンツ」は、そうでないページに比べて、より上位にランクインされていましたが、複数画像(2枚以上)による追加効果は見られませんでした。
- 「タイトルタグキーワード」の最適化では、上位ランキングとの相関関係が、我々が予想していたより、あまり見られませんでした。恐らくGoogleがセマンティック検索に移行した結果によるものだと思われます。
- Alexaのデータによると、「読込み速度の速いサイトのページ」は、遅いサイトのページに比べて、明らかに上位にランクインされることが分かりました。
- 「ページ単位の被リンク獲得」は、上位ランキングに対して、明らかな相関関係を持っていることが確認できたが、ドメイン単位(*1)程ほどではない。
- 「被リンク元のページオーソリティ」は、評価がほぼ無いページに比べるとランキングに優位性が見られた。
- 「被リンク元からの完全一致アンカーテキスト」は、ランキングアルゴリズムに対して、大きな影響力を持っていることが分かりましたが、SEO対策としてはお勧めしません。
- 「低い直帰率」は、より高い上位ランキングと相関関係にあることが、SimilarWebのデータを用いて分かりました。
1. 異なるドメインごとからの被リンク数は、ランキングに絶大な影響を与える
一度は耳にしたことがあるとは思いますが、同ドメインからの過剰な数の被リンクは、SEO効果を減少させる可能性があります。同じドメイン(サイト)から10コの被リンクを得る事と、異なる10コのサイトから1つづつ被リンクを得ることでは、グーグルのランキングアルゴリズムに対して与える影響力が大きく変わってきます。つまりは、後者である全て異なるサイトから得る被リンクは、より高いSEO効果を発揮するという事です。
ドメイン単位での被リンク数のポイント
総合計の被リンク数より、リンクされているドメイン(サイト)数を多く得ることが、SEO対策として最も重要になります。
2. 高いドメインオーソリティから被リンクを得ているページは、上位表示されやすい
予想通りではありましたが、高いオーソリティを持つサイトからの被リンクは、グーグルのランキングと大きく関係していることがデータから見て分かります。
ドメインオーソリティのポイント
被リンク元のページオーソリティより、ドメインオーソリティの方が高く評価されるので、ページ個々への被リンク獲得を狙うより、ドメインレベル(index)への被リンクを増やすことで、ページ自体のランキングを上げることが出来るかも知れません。
3. トピックに広範囲で奥の深いコンテンツは、ランキング順位を上げる可能性がある
第一次SEO時代のグーグルは、ページに多く使われていたキーワード(文字)をトピックとして認識していましたが、現在のグーグルでは、ハミングバードのアルゴリズムのおかげで、全ページのトピックを理解することが出来るようになりました。例えば、” バックトゥザフューチャーの監督は誰ですか? “と検索すると、「バックトゥザフューチャー」、「監督」、「誰」のキーワードを含むページを表示させるのではなく、「バックトゥザフューチャーと言う映画の監督をしていた人は一体誰なのか、という質問である」と理解して答えを出してくれます。
テキストコンテンツを文字情報として捉えていた頃とは異なり、今では多くのページ内容のメイントピックを理解出来るため、ページのコンテンツの最適化(1トピック)が重要になっていると多くのSEOアナリストが考えていると思います。果たして、今回調査したデータと合っているか確かめて見たいと思います。
BACKLINKOのデータから100万件分のURLを対象に、コンテンツのトピックオーソリティをMarketMuseを用いて調べてみた結果、1つのトピックに対して幅広く、そして深くカバーしているコンテンツは、内容の浅いコンテンツに比べて優位なランキング効果をもたらす事が分かりました。
トピックオーソリティのポイント
1つのトピックに対して、幅広くそして奥の深い情報を持ったコンテンツ作りは、グーグルのランキングに対して優位に働きます。
4. ボリュームのあるコンテンツページは、少ないページに比べて、より高い順位にランクインする
テキスト量の多いコンテンツは、少ないページ(例えば200単語くらいのブログ記事)に比べて、本当に優位なのかを調べてみました。(テキストボリュームが50単語以下と10,000単語以上を除く)
結論としては、ボリュームのあるテキストコンテンツの方が、少ないテキストコンテンツより、有利であるように見えます。しかし、テキスト量が多ければ良いとは言いきれません。確かに文章が長ければ、ソーシャルシェア数やカバーするトピック範囲も相対的に増えて、3のトピックオーソリティも高くなるかもしれませんが、コンテンツ内容の品質も関係してくる可能性があるので、単純に「長いテキスト」=「優位なランキング」ではないように見受けられました。
コンテンツボリュームのポイント
上位表示されているコンテンツの平均単語数は1,890語
5. HTTPSはランキング要因
去年、グーグルがウェブマスターにHTTPSに切り替えるように推奨しただけでなく、HTTPSはランキング要因の一つであることを明らかにしています。それでは、調査したデータではどうでしょうか?
大きな相関関係にあるとは言えませんが、多少なりHTTPSがランキングに影響を及ぼしているようです。
ランキング要因ではあるHTTPSのポイント
残念ながら、HTTPからHTTPSに切り替えるべきかは、サイトの移管時間や技術力などの兼ね合いもあるので、個々の判断としか言えませんが、これからサイトを立ち上げるのであればHTTPSにすることをお勧めします。
6. スキーマ マークアップとランキングには相関関係が見られず
スキーマ マークアップとSEO対策の関係について、様々な憶測が飛び交っていますが、残念がら上位ランキングとの相関関係が見られませんでした。スキーマ マークアップは、検索エンジンがコンテンツをより理解する為の記述なので、ランキングに何らかの作用を及ぼしても不思議ではありませんが、データでは相関関係が見られませんでした。
しかし、グーグルのトレンドアナリストである “ジョン・ミュラー氏 (John Mueller)”は、今後、スキーマ マークアップがランキング要因になる可能性を示唆しています。
スキーマ マークアップのポイント
スキーマ マークアップをすることは良いと思いますが、ランキング順位のブーストは期待しない方がいいでしょう。
7. 短いURLは、長いURLよりも、ランキング順位が良い傾向が見られた
長いURLは短いurlに比べて、SEO的に不利な場合があることが分かりました。なぜならグーグルは、urlもチェック対象になるので、短いURLの方が、ページのトピックをより理解してくれやすくなります。グーグル検索のスパム対策チームリーダーであった “マット・カッツ氏 (Matt Cutts)”も、URLが長くなればその分、単語ひとつあたりの重さ(価値)が軽くなると言及しています。
URL長さのポイント
推奨されているURLの長さは、5単語くらいまでなので、可能であれば短いULRの使用をお勧めします。
8. 画像付きコンテンツは、画像無しコンテンツよりもランキングに対して優性である
SEO業界の市場調査で、コンテンツ画像が豊富にあるページは、より多くの閲覧数とソーシャルシェア数が高い傾向にあることが分かっていますが、今回の調査データでも同じ結果が見られるのか見てみましょう。
結果として、コンテンツに画像が含まれているページの方が、画像なしページよりもランキングに対してよい作用があると分かりました。これは、より多くのソーシャルシェアや閲覧数を獲得する(読まれやすい)ことで、連鎖的に上位にランキングしやすくなる為だと思われます。しかし、コンテンツ画像の多さ(2枚以上の使用)によって、それ以上にブースとするような相関関係は見られませんでした。
コンテンツ画像のポイント
画像の使用は、ランキングと直接的なSEO相関関係は無いと思わられますが、まったく使用しないよりは良いので、最低1枚以上の画像をコンテンツに含めることをお勧めします。
9. タイトルタグ内でのキーワード使用は、ランキングに対して小さな相関関係が確認された
第一次SEO時代から、タイトルタグ内にての完全一致のキーワード使用は、最もSEO効果を発揮するランキング要因でしたが、グーグルがセマンティック検索に移行してから、ランキングに対して与える影響力に変化があったのかデータを検証してみました。
この結果には私自身も少し驚きましたが、セマンティック検索になってから、タイトルタグキーワード(完全一致)の影響力は、明らかに少なくなっていることが分かりました。
タイトルタグキーワードのポイント
相関関係が小さくなりましたが、キーワードを使用することは今でもお勧めします。ただ完全一致でこだわる必要性は無いのではないかと思われます。
10. 読込みの速いページは、遅いページより上位にランキングされやすい
ページ読込みスピードは、グーグルが正式にランキング要因であることを2010年に認めていますが、どのくらいのSEO効果をもたらすのか、Alexa計測ツールのドメインスピードにて、ドメイン単位での平均読込みスピードを、100万件を対象に調べてみました。
ページ読込みスピードのポイント
表から見て分かるように、ページの読込みスピードとランキングに相関関係の関係があることが分かりますが、もしかしたら単純にSEO対策されているサイトは、スピードも最適化されている可能性もありますが、いずれにしろ読込みスピードを早めることは、検索エンジンでだけでなく、ユーザビリティにも良い効果をもたらすので、サイトスピードの最適化をお勧めします。
11. ページ単位の被リンクも大きな影響を及ぼす可能性がある
新しいランキング要因(ソーシャルシェア)にまつわる様々な憶測がSEO業界全体で飛び交っていて、被リンクとランキングの相関関係が少なくなっていると予想するSEOアナリストも多く見られますが、調査したデータではどのような傾向にあるか見てみましょう。このテストでは、AhrefsのAPIを用いて、ページごとの合計被リンク数を調べてみました。
1位と2位では、2倍以上の平均被リンク数の相違が確認出来ました。これは明らかに合計の被リンク数がランキング順位と相関関係にあることがデータから伺えます。
被リンク数のポイント
被リンクの多いページは、少ないページより上位にランキングする傾向があることが分かりました。しかし、被リンクの購入や被リンク交換プログラムに参加してしまうと、ペンギンアルゴリズムの対象となる可能性があるので、被リンクされるコンテンツ作りを心がけることが良いでしょう。
12. ページオーソリティの高い所からの被リンクは、量より勝る
大抵のSEOアナリストは、被リンク元のページ品質は、被リンクの数量と同じくらい重要であると同意していると思いますが、データではどうでしょうか?
Ahrefsの”URL Rating”が高いページは、全く無い(0に近い)ページに比べて、若干の優位性が見られましたが、ある一定のURL Ratingの数値を持ったページと比較すると、被リンクの数量程の大きな優位性は見られませんでした。
ページオーソリティのポイント
被リンク元の品質よりも、被リンク獲得数に重点を置いた方が良さそうです。
13. 完全一致のアンカーテキストは、ランキング順位付に作用する
第一次SEO時代でよく使われていた「被リンクのアンカーテキストに、完全一致のキーワードを埋め込む」SEO外部対策は、ペンギンアップデートの出現によって、ブラックハットSEO対策と見なされ、その使用を控えるようになりましたが、いくつかの検索エンジン調査で、現在でもランキングに多大な影響力を持っていることが確認されています。
完全一致のアンカーテキストのポイント
被リンク元のアンカーテキストが、被リンク先の対策キーワードと完全一致すると、ランキングにプラスな効果をもたらすが、乱用してしまうとインデックスからの除外対象になりかねないので、お勧めしません。
14. 低い直帰率は、ランキング順位と強い関係にある
多くのSEOアナリストが、ユーザーの行動(直帰率、滞在時間、検索結果ページからのCTRなど)が、ランキング要因であると推定(グーグルがこれらのシグナルをランキングアルゴリズムに取入れているだとうと仮定)している思いますが、データではどうでしょうか?このテストでは、100万のサイトを対象に、SimilarWebを用いて、「直帰率」、「滞在時間」、「検索結果ページからのCTR」を調査してみました。
テストの結果では、上位表示されているサイトと低い直帰率に強い相関関係があると分かりました。しかし、低い直帰率がより高いランキング作用をもたらしていると示唆しているわけではありません。なぜなら、過去にグーグルが、直帰率はランキング要因では無いと否定している事と、ランキング要因である「コンテンツ品質」の高いページは、直帰率が低くなる傾向が強くみられるからです。
直帰率のポイント
低い直帰率とランキングの因果関係があるかは、相関関係を調べる調査なので分かりませんが、もしかしたらグーグルが直帰率をランキングアルゴリズムに取入れている可能性はあります。
以上が「上位ランキングと相関関係があるSEO要因」テスト結果の説明になります。このテストは「相関関係」の有無の確認であり、1~14の項目が上位表示のランキング要因であると断言するものではありません。しかし、上位表示されたページと何らかの関係があるようにテストでは見えたことは事実なので、SEO対策する項目として参考にすることをお勧めいたします。
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[…] Google検索結果100万件で見えた上位表示に関係するSEO要因←これもすごい…。上位表示の統計です。 […]
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